映画「ゲバルトの杜」@元町映画館

 

アルバイト先の元町映画館でやってる映画「ゲバルトの杜」を観ました。

 

 

映画は学生運動の内ゲバが本格的になったきっかけと言われる川口大三郎くん拷問殺人のことや、それ以降の早稲田大学内の出来事、新左翼の各グループの内ゲバのやり合いをあなたの知らない世界みたいな再現ドラマ、関係者の振り返り証言を交えた感じのもの。

 

1972年に早稲田大学文学部の男の子川口大三郎くんが革マル派の子らに中核派やろと疑いを掛けられ、ほんとはぜんぜん違うのに、ほんで革マル派が占拠してる早稲田大学内の教室で拷問されて、「お前中核派だろ」→「違う」→バットで殴られる→「お前中核派だろ」→「違う」→バットで殴られる、を6〜7時間ループし結果的に、バットで殴られる→「お前中核派だろ」→「中核派です」(ほんとは違う)て言うてまう、そして→「じゃあ仲間の名前を言え」→「知らない」→バットで殴られる→「仲間の名前を言え」→「知らない」→バットで殴られる→「仲間の名前を言え」→「知らない」→バットで殴られる、も1〜2時間繰り返し、これも結果的に、バットで殴られる→「仲間の名前を言え」→「山田、、」(適当に思いついた名前)→ 「よし、今日はこれくらいにしといてやろう、川口、帰っていいぞ」→ → → →(動かない川口くん)→ → → → →「し、死んでる」↘︎ ↗︎ ↘︎ ↗︎ ↘︎ ↗︎ 川口くんの死体を東京大学病院前に遺棄、という酷い事件があり、革マル派は早稲田大学内で総スカン、大勢の一般学生らから糾弾されるが、革マル派もそんなヤワじゃなく、一般学生もしばく、ほんで一般学生もヘルメット被って革マル派と戦うのドンチャン騒ぎ、大学を一歩外に出れば平和な世の中やのに大学内に入れば暴力フェスみたいな、それも早稲田大学に限らず、各大学の垣根を飛び越えて新左翼のいろんなグループがちゃうグループを鉄パイプで襲い合う、そんなんで100人くらい死んだらしく、思ってたより多い。

 

面白かったのが内田樹の話で、闘争現場の三里塚へ内田樹も向かおうと電車の切符買ってたら仲間が寄ってきて「そんなブルジョア企業にお金を払うな」とキセルを勧められ、でもなと普通に切符買って現場の最寄駅に着くと、仲間が駅前のおでんの屋台も襲撃しておでんを食い散らかしており、それどうなん?と思ったらしい。普段は大人しい知り合いもどさくさで酷いことしてたらしく、それを聞いて私が思ったのは、実家の秋祭りの時に昔はハナ(天狗の面を被った祭りの役)しとるときは何やってもええねん、強姦とか、強盗も、警察も何も言わんし、と父親が言うてたことで、マッドマックスみたいに恐ろしい昭和という時代があったのだ。その精神て南京大虐殺みたいなことからもつながるし、あかん方向でのフェス感、今まさに世界のどこかしらで繰り広げられてると思うと恐ろしい世界。

 

内ゲバの時代より前になるけど、武道館のビートルズのライブ観ながら絶叫し失禁・失神してまう若者の映像とか、それ見ると彼も彼女も普段の生活から相当な抑圧があるわけで、内ゲバの時代に野外フェスとかカラオケボックスとかもなかっただろうから、後日ガス抜きにそうゆう商品が現れて実際良かったなと思います。音楽が世界を平和に導くみたいな台詞をよく聞くけど、音楽の内容とか思想とかそうゆうのんより、ばかデカいサウンドで踊り狂うとか、一人でジャンカラ行って紅を10連荘するとか、そんなんで人間の、とくに若者の有り余ったエネルギーは解放させんと、歩行者天国にワゴン車で突っ込んだり、方向間違えれば悲惨なことになるなと思うとともに、内ゲバで殺された子らのお母さんお父さんの気持ちを考えるとやりきれんもんがあり、せっかく勉強頑張って東京の大学行けたのに、こんなことになるなんて、これやったら大学行かんと実家でニートしながら長生きしてくれといた方がよっぽど良かったとか、とにかく怪我をするくらいなら初めから何にもしない方がいいのだとも思いました。

 

「ゲバルトの杜」は元町映画館で今週末の6/14金曜日までやってます。写真の手ぬぐいは映画の公式グッズで1000円で販売してます。首に巻いてたのでしわくちゃですが結構可愛くて2枚買いましたので皆様も是非どうぞ。

 

◎元町映画館ホームページ → バットで殴る

 

◎「ゲバルトの杜」ホームページ → バットで殴る