22日 4月 2024

カニの記録 49

台湾2日目。ホテルの隣の部屋に泊まってる池田さんからゆっくり休むと連絡。待ち合わせの時間まで一人でぶらぶらすることにする。

ホテルから表に出るとまたスクーターの群れ。有馬記念の発馬ゲートばりに犇いている。

お粥とか食べてみよかなと思い、スマホで調べて朝から開いてる店に行ってみる。やっぱり店に入る前はうまいことやれんのかドキドキしてしまう。初めて電話するときにはいつも震えるプリプリの気持ちが分かる。ダイアモンドだね、いくつかの場面。漢字のメニューの字面から想像しつつ、ノーマルなお粥っぽいのと、ぜんぜん野菜食べてないなと思ったので、おかずっぽいコーナーの「花」って文字が入ったやつを頼んでみる。菜の花の和えもんみたいなんを想像していた。

しかしまたしても厚揚げの臭いやつみたいなんが出てくる。おかゆの上にも似たようなのが乗ってて、昨晩から臭い厚揚げしか食ってない。台湾に行くことを日本の知り合いに言うと誰もが「台湾は何食べても美味しいよ」と言ってたが、どこがやねん！？という気持ちになる。大体は甘辛で似たような味付けだし、このしょぼくれた食感と臭いに飽き飽きしてくる。体には良さそうだけれども。

臭い厚揚げを喉に押し込みながら、台湾の朝のワイドショーを眺める。漢字の意味から想像すると、酔っ払い運転のおっさんのニュースだろうか。店のおばちゃんも用事しながらワイドショーをチラチラ見ていた。

日本から持ってきたタバコが切れてしまったので、コンビニでタバコを買う。メビウスとか日本のタバコも売ってたけど、どうせだから見たことないタバコを買ってみた。日本のコンビニと同じく番号でタバコを注文できるのでなんとかなった。タバコの値段は日本と同じ500円くらい。ただ、どのタバコにも発ガン性の写真が添えられてて気色が悪い。最初この写真をみたとき、ピザ食ってるピザの広告かと思った。チーズがとろけてるみたいな。

なんかなぁと思いながら道で一服。すると目の前に不振な背中のおっさんがあった。

やった！やった！おっさんが立ちションした！（立った、立った、クララが立った）

台湾てその辺でおっさんタバコ吸うてるし街自体はそんな綺麗な感じではないけど、案外タバコとかゴミのポイ捨てもなく、立ちション出来そうな場所は沢山あるのに、実際立ちションしてる人は見かけなかった。けどやっと見れた。台湾に来て良かった。

立ちションのおっさん見て気分を良くし、さらにまたぶらぶら。色あせた志村けんに出くわす。コロナ前まではこの世に居てたのやから不思議な感じする。

商店街みたいなとこ。肉にハエがたからんように、ヒラヒラのリボンみたいなのが死んだ鳥の上でヒラヒラと回っていた。

クリーニング屋。軒先に布団カバーが沢山吊るされている光景をよく見かけた。

入れ歯屋さんかな。だとしたら凄く分かりやすい看板だな。

なんかぶらぶらするの楽しいねんけど、ぶらぶらする以外に何もないから、ちょっとぶらぶらにも飽きてくる。池田さんが台湾くる時に「散髪とかしてみよかな、面白そうやし」と言ってたのを思い出し、散髪に行ってみることにする。スマホで調べて近くある店へとりあえず入る。

私が入った店は坂本慎太郎みたいなお母さんが一人でやってる店で、なんとなくダラっとした雰囲気だったけど、優しかった。丁度私が入ったときBGMで欧陽菲菲がかかっていた。その後も千昌夫とか都はるみとか、ほんで橋幸夫の潮来笠がかかったとき、お母さんが「いたこ〜のいたろ〜」と鼻歌で歌い始めたので「潮来笠ですね」と声をかけるとお母さんは「フフン」と嬉しそうに笑っていた。その後も英語とか台湾語で何かしら質問されて、スマホのアプリで答えたり、短い時間だったけど少しだけ打ち解けれた。途中で飴ちゃんくれたり、頭を優しく撫で撫でしてもろたり、お母さんの天然母性に触れて癒された。散髪はほとんどバリカンしか使ってないけど、別に変な髪型じゃないし、結構ええお店やった。

ほんでまたぶらぶら。昼頃になり、なんか食うことにする。立ち食いそば的なんがあったのでOLの後ろに並ぶ。並んでる間もメニューを凝視し、どうやって注文するか色々考える。私が注文する番が回って来てオドオドしてると、横入りして来たおばちゃんが店の人にあれこれ言うてくれて、店員さんが屋台の表まで注文聞きに来てくれた。ほんでまた指差しで注文。用心棒みたいに座ってたおっちゃんが、ぶっきらぼうな感じで席を案内してくれたり、箸ここやでとか教えてくれたり。