カニの記録 48

 

去年、飯田華子さんと池田慎さんの作品展が伊勢であって、自分もライブさせてもらったり、あと設営の手伝いも少しさせてもらって何か楽しいっすねぇ、また何かあったら手伝いたいです、みたいなことがあり、こないだ池田さんも参加するイベントみたいなんが台湾であって、それのお手伝いという名目で池田さんに付いて私も台湾に行きました。

 

 

コロナ渦になる直前、実は台湾へ一人で旅行しに行くことになってた。けど緊急事態宣言みたいなんが急に始まって行けなくなってしまってた。折角パスポートとかもとってたのに、という感じだったけど、とにかく今回が私にとっては初めての海外旅行。当日は三ノ宮4時40分発のバスに乗って関空へ。到着すると麻生グループの巨大タペストリーがあった。葉山嘉樹『セメント樽の中の手紙』のことが頭をよぎったり、よぎらなかったり。

 

 

池田さんと無事合流しピーチの飛行機に乗る。池田さんは仕事中に左目にゴミが入り、それでめばちこみたいになって、結構辛そうだった。私は寝不足以外は体に問題なく、バスの中でも飛行機の中でも爆睡したので、ほぼ万全の状態。

 

 

関空から3時間で台湾に到着。着陸する飛行機から見た台湾は、土が粘土質で石垣島とか沖縄みたいなだなと思った。まあ石垣島と同じような場所にある島なんで当たり前なのだけれど。空港から台北の中心部に行く電車から見えたマンションとかも、なんとなくゴテゴテした外観で、中華圏やなって感じがした。中華圏なんだけども。

 

 

台湾に着いたらもちろん言葉も通じないし、表記は漢字やから何と無く分からんこともないけど、一人やったら心細かったと思う。今回は池田さんがホテルを日系のええホテルを取ってくださった。自分が今まで泊まったホテルの中で一番ええホテルな気がする。おかげで二泊ともよく寝れました。ありがとうございます。

 

 

ホテルにチェックイン後、ひとまず池田さんが参加するギャラリーへ向かう。途中の道は西淀川区にも似たような景色がありそうだけれど、それよりはちょつとお洒落な気がする。ギャラリーの場所の名前とかが全然分からんのだけど、台北の中心部から西に行ったとこにある、大阪で言うたらそれこそ塚本くらいの距離感かな、雰囲気もそんなとこ。

 

 

ギャラリーに到着し、キュレーターのチョウさんと合流、ギャラリーの中をいろいろ案内してもらう。ギャラリーゆうより、ほとんど美術館くらいの大きな規模に驚く。なんかすごい経験をもろてるなと、無理言って池田さんに同行さしてもろてほんま良かった。

 

チョウさんは日本語が上手くて、超優しい人だった。ていうか芸術扱う人って、優しくないと無理やと思う。と、ここでまた一瞬、麻生グループとセメント樽の手紙のことを考える。


 

ほんで池田さんの設営の手伝いをする。私が台湾に行った名目は、一応このイチジク浣腸を吊るすのを手伝うためなのだけど、ギャラリーのスタッフもチョウさんも池田さんの作品が兎に角大好きみたいで、すごく楽しそうに浣腸吊るしてた、だから私は譲る感じで3〜4個しかつるさず、あとは横でぼんやりしてた。決してサボってた訳ではないのです。

 

 

ある程度準備が出来たみたいで、あとはギャラリーの方に任せ退散。このあと池田さんと飯食ったり観光するつもりでいたけれど、池田さんはメバチコの調子が悪く、ホテルで休むことに。とりあえずは元来た道を戻る。

 

 

野生っぽい蘭。育てるのが難しいと言われてる蘭だけど、台湾では街路樹にヒモで括り付けて普通に綺麗く咲いていた。今回3日歩いた場所は結構ごじゃごじゃした場所だけど、家の前やベランダに花を植えてる光景が結構あった。わしもアパートに花植えよかなと思った。

 

 

アンパンマンのバッタもんみたいなやつ。この店は結構いろんなとこにあった。

 

 

池田さんとホテルの近くで別れ、教えてもらった屋台があるとこらへんへ行ってみる。果たしてトラブルなく夕食にありつけるんだろうか。

 

 

なんかええ感じの店がいっぱい並んでいる。思い思いに好きなもんを注文して、皆さんパクパク食べてはった。どんな感じで注文したええのか、メニューに何が書いてあるのかも全然わからないので、一軒目の屋台に入るとこでなんか勇気がいった。初めてピンサロ行ったときみたいな気分。

 

 

とりあえず値段と字面で判断して、あとは指差しで注文した、カスカスの厚揚げみたいな食べ物。とくに美味いこともなく、まあこんなもんかないう味。ビールは屋台で販売してないので、コンビニで買って持ち込み。ビールの味も薄かったけど、飯食いながらだと丁度いい。逆にプレミアムモルツとか味が濃すぎて、あんま飯食うには合ってなかったんかなぁと改めて思ったりした。普段プレミアムモルツなんか飲まんけど。そのあと違う屋台にハシゴしたけど、また同じような食べ物を注文してしまいテンション下がる。日本の正宗屋が恋しい。

 

 

カスカスの揚げを大量に食って腹パンパン。腹ごなしに散歩する。公園でおばちゃんらが盆踊りの練習みたいなんをしていた。インストラクターの女の人は木の実ナナ風の溌剌なタイプだった。あの溌剌はカスカスの厚揚げ食ってる効果なんかもな。

 

 

その後も日用品の店を物色したり、夜10時くらいまで一人でブラブラする。大きな通りに出ると原付がシャケの産卵時みたいに蠢いていた。台湾は兎に角スクーターが多い。