カニの記録 41

 

スマホから顔を上げて、今目の前で起きてることに目をやるようにしたらば

 

 

銭湯バイト上がりに寄るローソンの前には水がチョロチョロしか流れてない川があって、それを眺めながらタバコを吸うていたら、車の改造自慢みたいな男子二人組が改造車を路肩に止めて一服してる光景があり、一人の男の子はイニシャルDの主人公てあんなんかな、っていう渋めのファッション、もう一人は黄色いトレーナーにデニムのオーバーオール、オーバーオール着るくらいやから髪の毛もモジャモジャで、佐藤蛾次郎か鶴瓶の若い頃みたいな、でも肩に吊るベルトを右肩だけ外してて、90年代にああゆうオーバーオールの着方してる人をよく見かけて、私もやってみようとしたけどキャラクターにあってない感じしてやめた、そうゆうことがあったなって思い出したりする。

 

 

オーバーオールの男の子のベルト外してない方の左手には、コンビニのホットコーヒーのカップが握り締められてて、もう片方のベルト外してる方の右手の行方はというと、どうやらオーバーオールの胴隠し部分を経て、股間を揉んでる様子。ていうか股間部分がボコっと盛り上がって、しかも中で子供のエイリアンが蠢いてるみたいな、そうゆう動きをしてる風に見えるから、これはチンポもキンタマも同時に手のひらに納めてグリングリン揉みしだいてるな、ああやってると落ち着くんよね、心が。

 

 

昔、マイケルジャクソンが股間に利き手をあてがって「フォー」ってするみたいなダンスが流行ってて、私も小学6年生の理科の授業中、班で実験かなんかしてるとき、他のメンバーは顕微鏡を覗いたり、すり鉢でヨモギかなんかをゴリゴリすり潰したり、そうゆうシーンて極力人に仕事を譲るタイプなので、私は手が空いてる状態、なのでマイケルジャクソンの踊りを実験の輪から外れた場所で練習していた。股間に右手を当てて、腰を前後にカクカク動かし、格好いい顔つきをする、そうゆうのを繰り返してるうちに気持ちがぼーっとして来たんだと思う。

 

しばらくすると、実験作業に勤しんでる班の女の子2人、稲岡さんと井上さんが私の方を訝しげに見てる、その視線でぼーっとした状態からハッと我に返り、ハッと我に帰った我がそのとき何をしてたかと言えば、体育用の半ズボンの上からキンタマとチンポを鷲掴みした状態で右手をグリングリンとグラインドさせながら放心してる状態で、こうゆうの絶対に人様に見せてはいけないし、ひどく恥ずかしい思いをした、そうゆうことを思い出した。

 

 

で、改造車のオーバーオールの人へ注意を戻すと、オーバーオールの中で自分の股間を揉みしだきながら、イニシャルDと笑顔で会話しており、笑顔の倍々ゲームだな、と思いました。

 

 

話変わって、先日は銭湯に七福神が来た。

 

 

14年間務めた映画館の番組入れ替えの日に現れる特徴的なお客さん数名、長い年月なのでメンバーの入れ替えもあるし、私もだいぶん忘れてしまってるけど、ほっかむりしたメッシみたいなドリブルで店員をすり抜けて行く癇癪持ちのおばあさん、首が悪くていつも真下に顔を項垂れていたり、あと映画のポスターに弓指しながら笑顔で会話してるフクちゃん、私がただフクちゃんと心の中で呼んでただけ、あとパナウェーブ研究所みたいな格好や、スケスケエロエロ網ベストで現れるプレタポルテのおっさん、よく道端で職質されてたけど完全黙秘を貫ぬいてた、あと喋り出したら何時間も止まらない女囚さそりみたいな格好した魔女、三宮の横断歩道を渡りながら誰かと早口で会話してるのを見た、あとただの無口なおっさんの善三さん、心の中でそう呼んでた、ダダイストの意味を私は全く知らないけれど、善三さんみたいな人をダダイストっていうんだろな、知らんけど、ほかにも正規メンバー準メンバー合わせたら七福神どころかおニャン子クラブくらい人数がいるのだけど、私はそうゆうケッタイな人が劇場に来てくれてるうちは映画館の経営も大丈夫だろうなと、理由もなく思っていた。

 

 

中にはアッパー系のおっさんも居て、明らかにおばはんらから白眼視されてたので力ずくと土下座で帰ってもらうみたいなことはあったけど、七福神48のメンバーは概ね草食系であり、だから放置しててもうまく馴染む、人間や社会にはそれくらいの度量がある、みたいなマインドで無責任に成り行きを眺めて居たのだけど、コンプライアンス重視の新しい支配人には48の存在は心配の種だったみたいで、まあ経営者の立場になれば、人はそうなりがちなんかなとも思うけど、48のメンバーに真正面からぶつかって行き、結局は排除する形。ほんでコロナが来た。

 

 

銭湯の夜番に入ってると、外で腰っ履きズボンの達磨みたいなおっさんが店の中をぼんやり伺っており、あ!って思ったのは48のメンバーだったからで、おそらくはというか勝手な想像だけど、多動みたいな症状を抑えるためにぼーっとする薬を飲んでいる、だからいつもぼーっとしてるけど、ぼーっとしながらよく動く、そんな達磨みたいな見た目のおっさんが銭湯に現れたので、福の神じゃんと興奮してたら、その夜はいつの間にはどこかへ消えてしまった、けど翌日再びやって来た。

 

服も薄汚くて、持ち物もやたらと多い、だから正直銭湯の標準的な清潔にしとかなあかん度合いからいうと要注意なとこもあるけど、とにかく福の神なのでお風呂へ誘導し、細かい成り行きはまた東京荒野とかに書く用に温存しといて、21時でバイト一人なってから閉店までの時間帯はあまりお客さん来ないのに、その日福の神が来てから閉店までお客さんが絶えず、アルコールの注文もバンバン通り、牛乳もジュースも売れ、MOKUタオルっていう1500円のタオルも4本くらい売れ、なんか元旦みたいな賑わいになった、おかげで帰るん遅なった、でもやっぱり腰パンのおっさん七福神やった、そうゆうことがあった、っていう世界におるねん。

 

 

 

関係ないんすけど、今日は三宮で田渕くんとライブあります。来れたら来てください、よろしく。

 

2.12(月祝)

場所)三宮PUB CHELSEA

   神戸市中央区下山手通3丁目15-19

   下山手セントラルハイツ102

出演)田渕徹 / カニコーセン

時間)OPEN18:00 / START19:00

料金)予約2000円 / 当日2500円