カニの記録 16


8月20日日曜日。紀伊田辺の宿に泊まってるのを忘れてて、起きて一瞬「ここどこ?」ってなる。昨晩は酒呑んで風呂入らずに寝たので朝シャン。宿の風呂は古い昭和のタイル貼りで可愛かった。

 

タバコ吸いながらアイスコーヒー呑みたいな〜と思い、チェックアウトして喫茶店へ。最近は禁煙の喫茶店も多いので、外からパッと見ぃ吸えそうか吸えなさそうか判断して、バーグへ。バーグとはギリシャ語で頑固おやじという意味だそう。

 

 

バーグのスペシャルモーニングをアイスコーヒー650円で注文。昔から喫茶店にある、1つのお皿にいろんなものを滅茶苦茶に盛るスタイルは、90年代のカフェ飯スタイルへと繋がる。皿の外に縮れたスパゲティの麺がどんだけはみ出してるか占い、今日の私の運勢は中吉、ラッキーアイテムはペットボトルの蓋だった。食後は半杯のアイスコーヒーでタバコ何本吸えるかチャレンジタイム、この日は調子よく100本吸えた。

 

ライブで遠征する際、なるべくは交通費を抑えたいのだが、紀伊田辺から和歌山へいく電車の殆どが特急で、暑い駅の待合所で時間を潰すんが辛すぎるので特急に乗る。

 

 

1時間ほどで灼熱の和歌山市に到着。ドブ川の水が沸騰している。

 

 

荷物が大量だし歩き回る気力が全くない状態。それでもなんかええ荘に出くわしたりする。写真左端に止まってる赤い車のリアガラスに女の地縛霊が写ってるのがお分かりだろうか。

 

 

荘の入り口左の死地にウッドデッキ的なものが設えてあった。ウッドデッキの場所はちょうど十字路に面して常に風通しがよく、外呑みするには最適の場所ではないだろうか。あとはWi-Fiを開設するだけだ。

 

 

和歌山市に来るのはもう何度目かなのだけど、文化祭の模擬店的な張り紙が施されてるこのピンサロビルを毎回チェックしている。ちゃんと経営してるのを一度も見たことないのだけど、この度何かしらの店が新たに入るのか、工事用の防塵幕が張られていた。ピンサロがリニューアルしたあかつきには花を贈りたい。

 

 

そのピンサロの張り紙の作者が作ったであろうフォント使いの駐禁看板。黒いスケルトンにピンク文字の配色が私の助平心をめっちゃにくすぐる。ソープランドへ行って貯金通帳をめちゃくちゃにしてしまいたい、久々にそんな気にさせられた。

 

 

ライブ会場の入り時間まであと5時間くらい。なんとか時間を潰そうと考える。喫茶店には田辺でさっき行ったし、やってる飲み屋とかもないし、とりあえず大衆食堂でビールを飲むことにする。

 

 

店に入ると、ヤンキーの小学生男子3人連れた40歳前後のお父さんが、子供らにはコーラと食いもんを与え、自分はひたすら瓶ビールを飲んでいた。飲んでるお客さんもいたし、定食を食うてるお客さんもいて、とても自由な雰囲気。私はしらすとビールを注文して、テレビを眺めながら一服。タバコが吸える店、最高、マジ最高。

 

壁に掛かってるテレビでは、やすよともこと草なぎ剛の料理番組がやってて、自分らが作った料理を食べながらなんか喋っていた。草なぎ剛の毛染めも綺麗だし、やすよともこの毛染めも綺麗、きっといい職人さんに染めてもらってるのだろう。

 

 

ビール飲んだら腹も減ってきて、昆布うどんも食う。余った時間を潰すのに、いちいち金がかかるのが恨めしい。かと言って外をぶらぶらしたり、ベンチに座ってぼんやりするには暑すぎる。とりあえず銭湯に行く、金はかかるが。銭湯に行く途中、以前にも見かけた不動産屋のムカつく看板がまだ掛かっていた。一刻も早く日本は相続税を100%にするべきだ。ほんで消費税とタバコ税を廃止すべきだ。親から譲り受けた土地と財産でBMWを乗り回し、お茶屋遊びしとる坊の財産を全て没収、過酷な強制労働を課して、与えられる娯楽は永ちゃんの楽曲を聞くのみ、そうゆう極端な政策を取らないと日本から新しいロックは生まれないと思う。

 

 

大衆食堂から歩いて5分くらいのところに銭湯を発見!というかスマホが幸福湯への道を私に示してくれた。シンプルで可愛いデザインのロゴ看板、入口横のベンチに座ってるおっちゃんのノースリーブがやたらと可愛い。自転車の止まり具合から察するに、この銭湯は相当に流行っておる。

 

 

幸福湯の券売機。これも相当可愛い。重要文化財なみに可愛いからキーホルダーにして売るのも当然だ。ほんで1時間半くらい風呂と水風呂でゆっくりさせてもらう。浴室も脱衣場も広々として清潔、浴室には天井まで続く大きな窓が貼られていて、浴槽のお湯に陽の光がゆらゆら揺れていた。場所柄なのか和洋色とりどりの刺青も見れて、お客さんはみんな生きる力が強そう。あとで本屋プラグの嶋田くんに聞いた話だと、やくざと総合格闘技の人が多い土地らしい。風呂から出て脱衣所でゆっくりしてると番台のお母さんが「ギターやってるの?」と私の荷物を見て話しかけてくれた。それが嬉しかったので幸福湯Tシャツ2800円を購入。風呂上がってからストレッチしすぎて、右肩甲骨の筋をいわしてしまう。

 

 

風呂から上がってもまだ時間が余る。居酒屋も開いてないし、喫茶店も店じまいの時間が早く、やってるのは保護猫が触れるカフェくらい。保護猫を前にタバコは吸えないし、やっぱり行く宛がなくなってスーパーに飛び込む。運良く30%引きのネギトロ巻きが売ってたので、それを食いながらスーパー内のベンチで日本酒を飲むことにする。以前もこのベンチで酒を飲んだ、というか和歌山に来るたびにここで飲んでる。

 

 

酒を呑んでもまだ余る時間。ぶらくり丁を一周する。なんかこうゆう営業してなさげなパーラーの中に骨董の家具や食器が大量にあるんだろうか。セコムがないなら空き巣に入りたい。

 

 

時間つぶし頑張って、ようやく本屋プラグに入店。この日はエンタメなしだしセッティングも楽勝。お客さんも沢山きてくれて嬉しかった。大阪からライブ見に来てくれた浅井一家、ライブ前に子供さんらとプールに行くと行ってたので、ライブの途中でみんな寝るだろうなと予想し、店の床にダンボールやら座布団やらを敷いてもらって寝転びスペースを作っておく。案の定ライブの途中で息子さんが横になりだし、ちょうど海系の歌、ユーミンの瞳を閉じて〜浜辺の暮らしのところで小さな鼾が聞こえてきた。これはこれで波の音として使えるなと思い、鼾のリズムに合わせて歌う。薄い鼾は波の音、鼻の奥に引っかかるような低音効かせた鼾は船の汽笛、鼻くそがそよぐような高音の鼾はカモメの鳴き声、息子さんの鼾で映画のサントラ全部を担当してくれて、また息子さんが深い眠りに入って行けば行くほど浜辺の暮らしの中のファンタジーにどっぷり嵌まり込むような感覚が自分にもあり、これはスーパーセッションだなと思った。It's Perfect!

 

 

本屋プラグさんが今年の末か来年の春くらいに一旦看板を下ろすと聞いて残念な気持ちでいたけど、その後の展開とかも聞かせてもらって、みんな楽しいこと考えるな。ほんでちゃんと形にして行く力がすごいな。私は私で生活不安しかなくて、その生活不安を売り物にしてライブ回ってるとこもあるけど、誰かしらの楽しいに近寄ったり離れたり、そうゆうことしながらライブ続けていけたらな思います。この度ライブお世話してくださった紀伊田辺わいわい弾き語り教室のみなさん、本屋プラグ、ライブ見に来てくれたお客さん、マジありがとうございました。

 

近々のライブの予定

 

8.30(水)

場所)神戸BIG APPLE

   神戸市中央区山本通3丁目14-14 トーアハイツB11

出演)カニコーセン Vocal,Guitar 生島大輔 Bandoneon,Piano 西浦徹 Guitar 森田雅章 Trumpet,synthesizer 定岡弘将 Drums

時間)OPEN19:00 / START19:30

料金)予約2000円 / 当日2500円 / 配信2000円

配信)https://twitcasting.tv/c:kobebigapple/shopcart/249431

 

ジャズのうまい子ら、剛毅な即興演奏の先輩らとカニコーセンの曲を一緒に演奏したりします。役回り的に私はただの棒になる思うんで、夏の終わりの棒倒し大会を是非見にきてください。配信もありますので、そちらもよろしくお願いします。

 

 

 

そん次は浜松→犬山です!お近くの方よろしくどぞ!

 

 

犬山で対バンしてもらいますウクレレ未知さん↓

 

 

 

 

無条件にお金あげたくなった人はこちらから↓