先週月曜日。広島から新幹線で戻って、そのまま昼夜バイト。こんなけ動き回っても貯金あんま貯まらんのん、国も悪いが自分も悪い。大した無駄使いしてないように思うけど、大した節約もしてなくて、要するに無駄使いしているんだと思う、好きに飲んだり食べたり、マッチングアプリに登録したり。

先週火曜日。姫路でライブ。風羅堂の大西さんから「カニちゃん、なんかやってや」言われて、なんかやって言われてもなぁ、と困ってもたけど、ちょうど姫路文学館で車谷長吉の没後10年展みたいなのがやってて、じゃあ抜髪の2025年版みたいなんやろかなと思って、でも当日まで何の準備もしておらず、朝からおかんをイタコさせてわしへの愚痴書いたり、BGM用意したり。

抜髪というのは車谷長吉の漂流物という短編に入ってる小説で、車谷長吉が飾磨の実家のおかんをイタコさせて播州弁で自分に色々と小言を言うみたいな話なのだけれど、万人受けするようにオカンの隠れた母性とか、車谷長吉本人の自慢話的なのがちょいちょい盛り込まれてて、そこはそこはかとなく身震いしてしまうのだけど、アイデアとしては面白く、なのでカニコーセン版としてカバーというか替え歌作ろうと考え、2014年にCDRに録音したり、そのCDR作る前にも何度かライブのネタでやっており、それの2025年度版をやろうという、同じこと2回言うてもうている。

ほんで抜髪Ⅱ無事終了。平日にも関わらず大阪や岡山や西脇や遠くから沢山ライブ見に来てくださり、ありがとございました。しかし計算外に1時間ほどでネタ切れ起こしてしまい、なんとなく物足りなさも残る感じで終わってしまったけど、まあやりたい感じのことはとりあえず出来た。調子乗って京都と大阪でも7月に抜髪Ⅱやろ思うので、もうちょい全体的に修正しつつ、80分くらいのネタに出来ればと思っています。興味ある方は是非見に来てください。ちなみに抜髪ⅠのCDは通販でも買えますので良かったらどうぞ → 通販
↓京都編

↓大阪編

木曜日は銭湯バイトの前に三宮のタトゥースタジオへ刺青してもらいにいく。前は左腕に根本敬先生の村田藤吉を描いてもろたのだけど、今回は右腕に大山海先生の東京市松物語に出てくるお市ちゃんを描いてもらった。

お市ちゃんというのは市松人形と人間の間みたいなキャラクターで、漫画も面白いのだけれど、お市ちゃんが学祭でギターを弾くシーンがあり、それが自分には結構衝撃的やったというか、例えばジミヘンがライブでギターを大フィードバックさせる恍惚なシーン、それを絵とかで再現しようとして、ジミヘンがギターを弾いてる絵を描いても多分全然伝わらんし、やり方を変えてアフリカの大自然を描いたとしたらもっと訳分からんなるような気がするけど、東京市松物語のページをめくって、お市ちゃんがギターをわーんてやってる後ろで何故か火花散ってるみたいなコマを見たときに、ああ、ジミヘンの大フィードバックがやっと絵で見れた、みたいな感じがあったので、刺青描いてもらいました。説明長くなりました。
ところで、前回今回と刺青を描いてくれてる若い彫り師の男の子くん、顔がめちゃんこ美しすぎるんですが、顔だけじゃなく全部が綺麗、動きも声も何もかも、正直ちょっと眺めてるだけで嬉しくなってまうレベルというか、こんなん生まれて初めてやわ、おっさん、ていう気分でタトゥースタジオへ行き、今回は線も多くて30分ばかし施術、仰向けに寝かされて腕を針でチクチク削られ、ああ、好きな男に処女奪われるんこんな感じなんかな、処女膜ないから知らんけど、窓から空見たら蝶々がつがいになってヒラヒラしてるし、目尻から出っぱった頬骨あたりへ涙がツーーと流れ落ちたり、なんて素敵な時間なの、顔が綺麗って本当に本当に素敵なことだと思います、おすぎでした。

お市ちゃん描いてもろた翌日。カンプリの営業さんにカキ氷奢ってもらう。運転しながら1粒も氷を溢さずにかき氷食べ切った自分を褒めたい。営業さんは座席の脚マットやズボンの上にイチゴの氷を時よりポトポト零しており、あとで納品車乗った店長に「助手席のマットにちゃにちゃやんけ!」と怒られてました。ご馳走さまでした。

土曜日は再び大鍋氏と姫路へ。次男の通ってる高校の学祭を見に行こうと大鍋氏に誘ってもらうが、見つかったら流石にキモがられるだろうと思って遠慮する。昼間の姫路はわりかし炎天下であった。

カット頼んだら全員古代エジプトにされるヘアーサロン。とぼとぼ歩いて姫路城西側の寂れた喫茶店へ一服しに入る。大鍋氏となんやかんや喋りながら店内を観察すると、この字型のカウンターに近所のおじんおばんらが集結して、でも皆んなが皆んなを鬱陶しがってる雰囲気も漂ってて、家族やなぁと感じる。座敷犬がカウンターの上でコップに入ったレモン水をペロペロ舐めていた。

大学卒業して最初に就職した仏壇屋。トラックの荷台に積んでた鉄柱を誤って社長の車の側面に突き刺してしまい、1月で退社した。やってはいけないことをやってしまう自分に恐怖しながらの人生がここから始まった気がするが、もっと以前から始まってたな、ほとんど生まれた時から。

以前、何かしらの展示を見に姫路文学館へ来たことあるなと思ってたけど、バカボンド展やったと郷土の歴史展示コーナー見ながら思い出す。車谷長吉展、車谷長吉は小説の中で自分のこと全部説明してもうてるので、改めて展示見て知るみたいなことは少なかった気がする。けど手書きのメモノートの字体、これは神経症の人の字体そのもので、文字の詰まり具合や筆圧など、自分の実家の父親が書いてた日記帳とよく似ており、ダウン症の人の顔が同じに見えるように、神経症の人の書く文字も一様に同じなんだなと思った。

抜髪朗読会。隣のおっさんが飴をペチャペチャする音に若干イライラしながら聞く。けどあとで考えたらもしかして糖尿持ちやったかもで、やったら仕方ないなと許す。車谷長吉の嫁さんの高橋順子さんが聴きに来られてて、「播州弁の抜髪聞けて、大変嬉しゅうございました」と最後に挨拶していた。

朗読会のあと、大鍋氏と姫路城のお堀をデート。お堀の中でウヨウヨしてる鯉、黒々としてて強そうだった。

平のポリをまとめる、おばちゃん公安リーダー。前通りかかったとき「今日まだ雨ふんの?」と平に向かってタメ口だった。そんな雰囲気のまま「レインボーブリッジ、封鎖しといてな」とか言うんだろうか。

予期せずゆかた祭り。ヤンキーの襟足眺めながら歩く。徒歩暴走族の登場は夕方以降なのか、見たかったが見れなかった。

して山本酒店で酎ハイ3缶飲み、嬉しなる。この阿片は安い阿片だ。
神戸へ戻る新快速で大鍋氏に買ってもらったコンビニの蒸しパン、半分こしてもちゃもちゃと二人で頬張る。愛しさと切なさと心強さで思わず泣いてしまう。この気持ちさえ忘れなければ、俵万智よりええ歌書ける気がする。

して南京町で銭湯のお客さんと待ち合わせ、再び呑みへ。何軒か梯子し、パブ的なとこでビールがぶ飲みして、腹タプタプになる。酒は味じゃない、量に限る。

気が付くとガード下の冷たい地面で寝てしまっていた。お酒飲むんは本当に楽しい。
そういえば来月東京でライブありますので、良かったら来てください。よろしくお願いします。
7.12(土)「まんこく博覧会」番外編
場所)早稲田RiNen
新宿区早稲田町74−4 B1
出演)uIIIn / カニコーセン / ラブ丘まり
※公式キャラクターぱくぱくも登場!
時間)OPEN12:00 / START12:30
料金)2500円と呑み代

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まじたそ (火曜日, 24 6月 2025 13:09)
文字をギチギチに詰めて書くクセがあります。日記帳なんか老眼の人には読めないと思います。わたしも同類か?車谷長吉展見に行けばよかったなー。
カニコーセン (火曜日, 24 6月 2025 14:21)
>まじたそ氏
わしはギチギチ文字好きですよ。