18切符で富山行った続き。

金沢で一旦電車降りてバスで嫁さんの実家へ行く。コロナあったりで最後に行ったんは一昨年のお盆やから結構久しぶりで、なんか急に自分一人で行ったら変な感じなるかな思って心配してたけど、急に行ったんを面白がる感じで向かい入れてもらえて嬉しかった。お父さんお母さんに家の近況など報告し、まあまあ、いろいろあるやろけど、だいたいそんなもんや的に聞いてもらい、気持ちも多少軽くなる。実家寄るか迷ったけど寄って良かった。

ほんでまたバスで金沢駅に戻り、IRいしかわ鉄道いうので高岡へ40分かけて移動。乗り換え1回スルーして1時間半ほど高岡ぶらぶらする。

駅前すぐの商店街。人通りはあんまりない。

鬼滅の刃にすがるハンコ屋。かなりの達筆である。

友部正人の大名盤「にんじん」の中にトーキング自動車レースブルースいうのがあって、三軒茶屋の風呂なしアパートで毎晩シクシク泣きながら聞いたもんですが、あれは高岡が舞台の曲なんすよね。ネットで調べても歌詞出てこなかったんで、ちょっと聞き取りで歌詞書いときます。
「トーキング自動車レースブルース」
友部正人
もし君が北陸の方へ旅することあったら
土曜日の夜
ちょっと高岡に寄ってみるといいよ
駅前は朝までレース場
200台もの自動車がブレーキを軋ませながら
ついでに命まで軋ませているんだ
自動車が宙返りするたんびに
人生が逆さまに見えるんだから
ほんとに素敵だよー
嬉しくって嬉しくってしょうがない
といった格好のヤーさんたち
大通りの真ん中を駆け出してしまう
もう話すことの尽きたアベックは
冷えた夜空の下で
日傘をさしてジッと佇んでいる
黄色い髪のBARのホステスたち
ハイヒールの踵でタバコをもみ消しながら
鼻でとうもろこしをかじっている
ここはどっかの運動場だよ
誰もが憎み合うようにして抱き合っている
素敵な与太者たちの声援に送られて
10tトラックが今
赤信号を飛び越える
九州からはるばるやって来て
今やっとここが折り返し地点
ほら運ちゃん達が手ぬぐい振っているよ
精一杯の呆れ顔で
向こうの方じゃフォルクスワーゲンが
屋根抱えてひっくり返ってら
僕の目の前じゃ
2台ものデッカい自動車が
いとも簡単にひっくり返ってしまう
誰もが大事故の起こるのを夢見ながら
お尻をひっぺ返して座り込んでいる
でも人なんてそう簡単に死ぬもんじゃないから
みんなそろそろ飽きてしまうんだ
だからほらごらん
ザックザックと機動隊のお出まーし
素敵な与太者たちはとっても悲しすぎるもんだから
色眼鏡かけて言い訳考えるんだ
でも素敵な与太者たちは喋ることに慣れてないもんだから
なんだうるせーなこの野郎って言ってしまう
だからお巡りは喜んで200人も捕まえてしまうんだ
明日の朝の朝刊を読めば
きっと高岡は健全な街だと思うに違いないよ 誰も
だって
警察はそのためにオールナイト映画まで中止させたんだから
結局どんな街へ行ってみても
朝になれば風邪をひくように出来てるんだ
うまく逃げ延びた3000人の人たち
鼻をグズグズいわせながら
うちへではなく会社へと帰っていく
もうずっと佇んでいた僕とゴサイ君
うまい具合にお風呂帰り
くしゃみを一つ夜空に響かせた
これは僕が高岡へ行ったとき
偶然見た話なんだけど
もしかしたらこの東京にも
熱くて無責任な風を期待して
一晩中 街角に佇んでいる
僕みたいなイカレポンチが
一人や二人いるかもしれないね
いるといいけど

友部青年が見たような騒がしく賑やかな夜が本当にあったんだろうか。素敵な与太者たちの姿はどこにも見当たらず、みんな富山湾に沈んでホタルイカの餌になってしまったんかもしれない。「にんじん」が発売されたのが1973年なので、まあその頃の高岡というか日本はヒロポン打って元気一杯だったんだろう。

「高岡大仏はこちら」の矢印の方へ進んでみる。

高岡と桃太郎、それほど近しい関係ではないみたいです。

寝具店を超えたのに、まだ寝具店と名乗ってる部分にこそ超えなきゃならない何かがあるように思う。で潰れてしまってるところを見ると結局は寝具店どころか時流すら超えられなかったんだろう。スーパーマンは自分のこと「スーパーマンですが」とは言わないでしょうが。「超」は他人からの評価の部分であって、自分から「超ですが」と言うなんて本当に恥ずかしいことですが、さっきから語尾につけてる「が」って一体なんなんでしょうか。

いかの黒作とは、いかの塩辛にイカ墨を入れて黒くしたものだそうです。黒くする必要があったのかどうか、それを調査するのが歴史学者の仕事であります。知り合いにそんな人居ないので私には関係のない世界であります。

筋子の粕漬は卵巣に入ったままの鮭の卵を塩漬けし、かつ酒粕に漬けたもんです。そう聞いただけで日本酒が飲みたくなります。

鮭の塩漬けです。看板三枚とも可愛いかったです。

商店街を抜けた傍に高岡大仏はありました。奈良の大仏・鎌倉の大仏に並ぶ日本三大仏とのこと。

商店街の漆屋。かぶれそう。

縦横綺麗に区切ってデザインした石窓に、斜めに電線走らす電気工事の業者!喝や!

このセンターの書体、京阪神地区では大体食肉センターか囲碁センターで使われる書体やわ。

末広飲食センターの内部。左手前の居酒屋からは酒飲んで楽しくお喋りしてる声やカラオケが聞こえてきて昼間から盛り上がっていた。人生短し、酒飲め俺たち。

先が気になる感じの路地の曲線。

曲線の先には1年間だけ家賃1万円で借りれる居抜きっぽい物件がありました。どなたか高岡で小料理屋でも始めてみませんか。

商店街傍のこの辺は、わりかしええ感じの古い飲み屋が残ってる地帯でした。ところどころゴッソリと空き地になってたり、新しいマンションが建ってたりもしました。

木製の牛乳瓶受け。こうゆうのも一つ一つ業者が色塗って作ってたんすかね。そうゆう仕事がたくさん残ってた時代、さっきのトーキン自動車レースブルースもやけど、やっぱりわしはもうちょい前の時代を大人として過ごしたかった気がします。もう2ヶ月ほどで45才になりますが、今から職業訓練所で木工作業の訓練受けて、牛乳瓶受け作る会社立ち上げたとして、二人の息子をあと10年養うことは可能ですかね。35歳でカニコーセン始めたとき、何か始めるのに遅すぎるとかないなって思いましたが、それは趣味の話であって、生活かかってるとやっぱ厳しいんですかね。

赤文字は退色が早い。犬追放の店になってもうとる。

バックで車庫に入れる際、壁にミニーちゃん貼ってあると目印になって距離感つかみやすいんやろな、バックミラー越しにも。

うまいこと言うなと感心したが、こうゆうフォントはスマホにもパソコンにもないから、ワードで書類作ったりするとき不便やし、検索もかけづらく、でもこの店名が良いのか悪いのかの判断は店の売上によるところが大きい。

高岡にもあったんだ、僕とオカンと時々オトンが。

寂れた商店街なのに仏壇屋だけはお客が賑わってた。さすが一向一揆のメッカだけある。

こないだ香川の丸亀で見たボビーコールドウェル壁に続いて、これもどこかで見た感じの壁だけど、なんだっけな。

そうだ、少年ナイフのバーニングファーム壁だ。

ちなみに丸亀で見たボビーコールドウェル壁はこんなん。

僕が言うてること判ってくれますか。別に判ってくれなくても全然いいんですが。

鼻っ面に手すり。ライオンズマンションのライオンの置き場に困ってたら、引っ越し屋のバイトの子が「なんかここチョッキし収まりそうっすわ」て教えてくれて以来ライオンはずっとここ。

柳沢敦を応援する店。柳沢と中田英俊は見るとなぜか笑ってしまう不思議なサッカー選手だ。傍に神田うのが居たら最強だし、ドクター中松くわわりゃ鬼に金棒だ。

そんな面白い駄洒落言われても、トムハンクスが伊勢海老釣ってるシーンしか思い浮かばへんわ。

富山駅のすぐ前はわりかし新しいビル建っていて、おそらくこの古めかしいビルも

こうゆう面白くないビルや

こうゆう味気ないホテルやマンションに変わってしまうんですね。

歩きで1時間半だけど、そこそこ高岡ぶらぶら出来て満足。16時43分発の城端線に乗ってCHAIのコンサート会場がある福野という駅に向かう。電車はまあまあ混んでて、地元のおっちゃんおばちゃんとか、部活帰りの高校生の集団とか、あと日本に働きに来てるアジア系の女の人らが休みで仲間数人と食品や日用品のまとめ買いした帰りだったり、もちろんこれからCHAIのライブ見にいくっぽい人らも乗ってた。

古き良き日本て感じのキャッチコピー。

ここ何年か駅とかで「痴漢は犯罪です」ゆう貼り紙を普通に見かかるようになって、最近は「暴力は犯罪です」とか「酒に酔ってるからといって何をしてもいい訳ではありません」みたいな当たり前のことが書かれたポスターをよく目にし、そんなん言わんでも誰でも知ってがなとか思いつつ、しかし私は規範意識がまともじゃない人間だし、前歴も多少はあるんで、こうゆう看板を見るたびに「俺に言ってるんだな」て思うようにしてるけど、正直あんまり本気じゃなかったりするんですよね、んでそうゆう自分が怖く思う時あるんすよね、えげつない犯罪しそうで、だから裁判所へ傍聴行ってるゆうのもある気はします。

そして福野駅に到着。コンサート行く人がどんどん電車から降りて行くのだが、大学生みたいな子がほとんどで、なんかおっさんわしだけな雰囲気が恥ずかしいなぁーと、ちょっと思ったりした。普段は自分で自分のこと、おっさんですわ〜とか言うてるくせに、こうゆう自分がおっさんであることをまざまざと見せつけられる場所に行くと、なんか自分がおっさんであることが悲しくて、いや、本当に悲しいのかな?なんだろうか、この気持ち。その場その場でおっさんとしての振る舞いや作法があると思うんすわ、で新開地とかに佇んいるおっさんらは周りがおっさんばっかりやから自分がおっさんであることとか自覚する機会も必要もなくて、だってそこはおっさんの海やから、海水が自分のこと海水であるなんて考えませんやん、でも真水の中におっさんが飛び込んだら、おっさんの中の塩分がじわーっと外に滲み出ていきますやん、そしたら自分てものがどんどん薄まってしまって無くなってしまう恐怖からおっさんは必死に毛穴閉じますやん、できるだけ石鹸使わんと体洗いますやん、そしてなるべく皮脂を蓄えようと働きますやん、自覚ないけどそれって結構匂いますやん、それ死臭みたいなもんですから、結局そうゆうことですわ。

福野に着いたのは17時過ぎ。コンサートの開演は18時半なので飯でも喰おかなと店を探すが全然なさそうな道。

けど奇跡的な感じで、わしが好きそうなもんばっかりを扱ってる飲食店がコンサート会場のすぐ近くにあった。渡りに船ってそんなに使ったことない諺やけど、これは渡りに船で合ってるはず。合ってない場合ヤバいけど、そのバヤいは君の胸の内に留めといてくれ、その指摘に俺が死ぬほど傷付くから。

しかし円城はまじ結構ええ感じのお店だった。コンサートのお客さんもわりかし多く儲かってそうだった。カウンターでは地元のおっちゃんらがパチンコ帰りに一杯飲んでる様子で、テレビでかかってる卓球の試合見ながらいろいろ喋ってるのが聞こえたのだが、みんな結構卓球に詳しい口ぶり。

私はホルモン定食1000円と大瓶650円を注文。ホルモン炒めはキャベツ多めで一瞬テンション下がったが、味噌汁にアサリが沢山入ってたので許す感じ。私の隣で飲んでた人もコンサートを見にきた人で、お会計のとき店のおばちゃんから「どっから来たの?」と聞かれた隣の人が「奈良です」と答えると、おばちゃんはビックリ、厨房の方にいるおばちゃんにまで聞こえる感じで「ちょっとー、このお兄ちゃん、奈良から来てるでー」と叫んだりしてて、それを聞きながら私は(ここで「僕なんか加古川ですよ」って横から言うたらどうなるだろう、おばちゃんもっと驚くんかな、けどそんなことしたら奈良のお兄ちゃんの儲けを横取り40万してまう感じになるし、それにおばちゃんが大騒ぎしてるのは奈良ってとこじゃなくて、隣の男の子がわりかし若くて男前であることを前提にしたのに加えて奈良なのを大騒ぎしてるとも考えられるし、もしそうゆうルールのもとで私が「加古川です」って自信満々に発言したって、おばちゃんからは「あ、そう、で?」くらいのリアクションしか返ってこないことも可能性としてはあって、これから大好きなCHAIのライブ見て幸せになろうとしてるのに、いちいちおばちゃんのリアクションでコンディション不調にするのも損やわ)と思い、ただ黙々とホルモンキャベツと山盛り飯をビールの泡で胃袋に流し、ドットコム。続きはまた明日か明後日。
ライブもありんす。
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