ブログ日誌11

須崎駅前で顕正会婦人部の奥さんから「総罰」のときが迫ってることを教えてもらい、しかしもう高知駅に戻るにしても1時間に1本しか電車来んし、とりあえず今まで通りGOウエストするしかないので、そうすることにする。

 

 

須崎市のゆるキャラ、カワウソのしんじょう君。2016年のゆるキャラ全国大会で優勝してて、確かに可愛い。ドラムンベースのDJもしたりしてるらしい。

 

 

ゆるキャラ日本一の街の駅前はこんな感じ。顕正会のおばちゃんらと僕しかいない。

 

 

駅前のバル。須崎のドリームガールズ。

 

 

近くに道の駅があって、ポカリ買いに寄る。

 

 

お土産コーナーには勿論しんじょう君のグッズも沢山あって、どれにしようか悩む。

 

 

なんかちょっと違う奴おるなと思ったら秋葉原のゆるキャラちぃたんやった。ちぃたんもカワウソやから似てしまうのはしょうがない。

 

道の駅でポカリ飲んで、ちょっと体力回復。グーグルマップで1〜2個先の駅の場所を確認し、おおよその方向でそっちに自転車をこぐ。こぎ出して直ぐにまたトンネルがありげんなりするが、文句言わずにただただペダルを踏んで前に進む。しかし進んでも進んでもトンネルの出口が見えて来ない。ダンプやトラックとかもビュンビュン真横を通るし、結構危ないトンネルやなと思ってたら、すれ違う軽四のおっさんがなんか叫びながらクラクション鳴らしてたり、どうやらわしは怒られてる雰囲気で、それでも構わず進み続けると、トンネル出口まであと1900メートルとかいう看板があったり、何これ?

 

 

どうやら私は知らない間に自動車専用道路に入ってしまってたらしく、すげくヤバい状況に陥ってしまった。今来たトンネルは2500メートルあり、やっと抜けたと思ったらまた直ぐ2000メートルのトンネルが待ち構えていた。道路脇のフェンスから自転車を担ぎ出して脱出を図ろうとしたが、フェンスの先は断崖絶壁になってて脱出は不可能。かといって2500メートルのトンネルを猛スピードの対向車にビビりながら逆走することも絶対無理。これが顕正会の奥さんがいうてた総罰、奥さんがドライブインで見かけた地震雲はこれの予兆だったのだ。

 

横道脱出不可能、逆走も無理となると、来た道をそのまままっすぐ進むしかない。

 

 

で2本目のトンネルに入って半分ほど進んだところで、後ろからパトカーのサイレンが近づいて来て逮捕。ワゴン車の中で須崎署の若い警察官3人に怒られる。高速道路専門の警察の人も別で来て、持ち物検査や事情聴取されたり、一気にテンション下がる。俺なんか生まれて来なければよかった。

 

3人の若い警察官の中で私に年が近そうな人が運転を担当してて、その人が一番喋りやすそうだったので、二人きりなったタイミングで「これはやっぱり罰金とかですか」と聞くと「まあそうゆうのはないですよ」と教えてくれてホッとする。「ところでその被ってる帽子、なんて書いてあるんですか」と聞かれ「とさつき(屠殺機)です、福岡のノイズバンドの帽子です」と答えると笑ってたので、案外この人は優しいかもと思い、この先の道中のアドバイスを聞いたり、旅の理由を聞かれたり、結構会話が弾む。「まあこの先は7つ峠というのがあって、自転車で行くのはちょっと無理です」「四万十川まで行くんでしたら、まず電車でそこまで行って寝床等を確保して、それから自転車でぶらぶらされたらどうですか」「堤さんが思ってるほど、この先にはコンビニとかないですから」など、地元の人の貴重な意見をもらう。ついでに「さっき須崎駅前で宗教の勧誘に合ったんですが、その方からもらった新聞に総罰とか書かれてて、やっぱそうゆうことって起こるなぁて思いました」とか私が言うと「そうゆう人には気安く関わらない方がいいですよ、トラブルのもとですから」と注意を受けた。甘い口車に乗ってイルカの絵をローンで買わされるのも、面白半分でカルトの話に乗るのも、あんま変わりはないのかもしれない。もっと注意深く生きて行かなきゃだな。勉強なりました。

 

 

結局パトカーで土佐久礼という次の駅まで送ってもらう。罰金もなかったし、10キロくらい先まで進めたし、結果的には警察に捕まって良いことしかなかった。駅の時刻表をみると15分ほどぶらぶら出来そうだったので、駅前だけをぐるっと一周してみる。

 

 

あんまり何にもない駅前だなと思ってたけど、若干活気ありそうな感じの市場があった。この先は電車移動だし酒でも呑もうと思い、スーパーで缶ビールとじゃこ天みたいなのを買うと、おまけでノンアルコールビールをもらった。パトカーで無料送迎してもらったり、ノンアルコールビールをタダでもらったり、高知県は私に優しい。テンションは元通りに回復し、生まれて来てよかった。

 

 

とりあえず土佐久礼から窪川という駅まで電車に乗る。窪川から先はまた電車の本数が減るらしく、ちょっと心配。

 

 

窪川駅に到着。駅の周りには何もない。自分が想像していたより高知は寂れている。最終的に自分たちが未来で行き着く感じは窪川駅前のこの寂しい感じなんだと思うけど、あまりに未来過ぎてついていけない。

 

 

乗り換えの時間がまた1時間くらいあったので、自転車でぶらぶらしてみる。夜とか真っ暗になるんやろな、ここに単身赴任とか寂しいやろな。

 

 

近くを四万十川が流れていたので見に行く。このあたりは中流域になるらしい。雨が多かったからか水はそんなに綺麗くなかったけど、流れ方がおおらかというか、あんまやっぱ本州にはなさげな雰囲気。

 

 

谷を縫う感じで川が進む。川の両脇は大体すぐ急な山で、多分は河口付近まで川沿いに大きな集落とかがなさそうで、だから川が汚れないのかもしれない。

 

 

窪川の隣の駅まで来たので、ここで電車が来るのを待つことにする。

 

 

田舎に暮らしたいな、ニワトリとか放し飼いして、なんて思うのは簡単だけど、やっぱ加古川くらいじゃないと私は無理かも。今まで体感したことがないレベルの何もない加減だったので、自分の考えがぜんぜん甘かったなと思った。でもまだここは電車が通ってるからね。まださらにこの奥の奥の奥にも田舎があることを考えると、自分が今まで思ってた果てしなさなんて、ガチャガチャのカプセル程度の規模だな、って駅のベンチから山の上に被さる灰色の雲を眺め、恐ろしくなる。

 

 

川が流れる音と鳥の鳴き声しかなかったから、線路が小さくコトンコトンと鳴り出して、電車が近づいて来た時は、なんか救命ボートが到着したような安堵感があった。1両だけの電車には私の他に、さっき窪川でブツブツ独りごと言いながら降りた緑のおばあさんと、もう一人ちょっと挙動不審っぽいおっちゃんだけで、なんだろう、このメンバーに選ばれた感。

 

車窓の景色を楽しむつもりでいたけど、電車がガタゴト揺れだすと眠くなり、寝てしまう。

 

 

熟睡したまま中村駅に到着。私と一緒に緑のおばあちゃんと挙動不振のおっちゃんも下車。とりあえず野宿出来そうなベンチと晩飯食う店を探しに行く。

 

 

中村駅から自転車で10分くらい離れた場所に商店街があり、わりかしシャッターは閉まってそうだけど、何かしら晩飯食えそうなとこはありそう。せっかくだからカツオとか食べたいなと思って、一通り見て回る。

 

 

居酒屋は何軒かあったけど、ちょっと値段が高そうな店構えやったり、いちげんさん入りにくい感じやったりで、どの店に入るか結構迷う。入ってお店の主人とわしと二人だけみたいなんも出来れば避けたい。そんなに高くなさそうで、お客さんも居てそうな雰囲気かなと思って選んだお店がここ。

 

入ると店のご主人が「しゃああせええー!」て一人元気一杯で、奥さんぽい人とバイトの女性も働いてたけど、どこかしら、しら〜っとした雰囲気。けどお客さんはまあまあ居て忙しそうだし、店の雰囲気的には外れじゃなさそう。私がカウンターの席に着くとご主人が「おつかれー!これどうぞー!」と言って、手づかみでカツオの叩きを私の目の前に差し出してくる。ああ、これはサービスでもらえるんだなと思って、でも主人が手づかみで出してるカツオの肉の塊を、自分はどうやって受け取れば良いのか分からなくて、ここは一旦お皿に乗せてもらった方がいいのかな?と思って私が小皿を差し出すと、ご主人は「ややややあああやあ」みたいな、違う違うそうじゃ、そうじゃなくて!って感じで、じゃあどうするの?と聞きたいけど、質問する隙が全くなくて、ちょっと大胆やけどご主人の手から直接カツオ食うたれ!と思ってカツオに私の口を近づけると、また「あややや、ややややあ」って言いながら、ちょっとカツオを引っ込める。なんやねん!どないせいっちゅうねん!と内心では思いながら、どうも息が合わんなと困ってると、奥さんが横から来られおしぼりを置いてくれるので、ご主人はそのおしぼりを見ながら「あや、ややあ、まず、まずう、おしぼりで手を拭いてから、どうぞー!」て威勢の良い掛け声を私にかけてくるけど、だったらカツオの塊を私の前に差し出す前に、まずおしぼりを渡すべきだろ!順番めちゃくちゃだよ!と思ったが、ご主人には全く悪気はなさそうで、カツオただで食うてやって言うてくれてるし、ありがたくよばれる。すると主人はすかさず「どお! ?どお! ?」って聞いてくるので、とりあえず美味しかったし、正直に「美味しいです」と答えると、なんか私のリアクションが物足りないのか、会話が続いていかない。やっぱり息が合わない。

 

おそらくお店には旅行で来るお客さんとかも多いんだろうなっていう対応で「どんな旅なのお?」て質問してくれたり、一人で飯食いに来てる私が寂しくならないように、ご主人はいろいろ話かけてくださる。「今日は野宿して明日の朝に四万十川を見に行こうと思ってます」と私が言うと、ご主人は「いいねえ〜」といいながら、独特の四万十川の観光の仕方を教えてくれた。それは四万十川にかかる沈下橋を中央まで渡り、そこで川上に向かって両手両足を広げて大の字に立ち、山の間を吹き抜けて来る風を全身で受けながら、深く複式呼吸を繰り返すと全身の細胞が活性化するという感じの健康法のような観光の仕方で、ゆっくりと息を吐き続けるのがコツらしい。なるほど。

 

そのあともご主人は刺身を盛ったり、魚を焼いたり働きながら、四万十川の素晴らしさ、他の高知の観光名所の案内を続けてくださり、その間も奥さんとバイトの女の人は全く我関せずなしらけっぷりで、この店の従業員同士の温度差がなんかとても面白く、酒がすすんだ。カツオのタタキとかモズクの天ぷらとか食いながら、ビール二杯と司牡丹一杯飲んで結構酔っ払い、ぼんやりカウンターに座ってると、ご主人が「結構ヤッタねぇ、そろそろご馳走さん?」みたいにお会計を促され、晩飯は終了。まあまあお金使うてもうたけど、久しぶりに日本酒飲んで美味かったし、ほぼ満足。居酒屋を出て、銭湯を探しに行く。