コブログ228

11月23日金曜日。高砂町のコミュニティーセンターで催された「四畳半劇場」というのに参加。

長時間の催しでお酒なしは正直キツいので、バスと歩きで高砂町の会場まで行った。福山でちょび髭カレーをされてる竹内さんがライブを観にきてくださる云う事で「コンビニでお菓子とか奢ってもらえるかもしれん」と珍しく次男もライブに同行。長男は留守番。私の母親の実家が且つて高砂町にあり、子供の頃はたまに遊びに連れてってもろたりして、この商店街でプラモとか買うてもろてた。

11時過ぎに会場に到着。加古川とか高砂のギタークラブの方がスタッフになって会場の設営をされていた。ありがとうございます。

リハーサルを少しさせてもらったあと、開演時間まで商店街をブラブラする。

ここの模型屋はミニ四駆のコースがあって、愛好家みたいな人らがたまに集まってタイムトライアルみたいなことをしている。模型以外にもモデルガンとかサバイバルゲーム用の道具が売ってて、ショーケースに入ってる黒々としたモデルガンを真剣に見つめてる次男の横顔がまあまあ怖かった。しばらくすると20歳くらいのお兄ちゃん2人組が来て、ミニ四駆を走らせていた。

模型屋に飾られてた高校生漫才師アンドロイドのサイン。漫才甲子園みたいなんで優勝した子が加古川らへんにおると、神戸新聞で読んだような気がするが、この子たちなのだろうか。

今はもう動かない古時計。

何年か前にもぶらついて前のブログにも写真を載せたと思うが、その頃から比べてもやってるお店が減った感じする。近くにあるサンモール高砂というショッピングセンターが閉まったのが最後のとどめだったのかもしれない。このあたりに住んでるお年寄りは日々必要なもんを何処で買うんだろうか。

サンモールと商店街を結ぶ道にある駄菓子屋はやっていた。買い物大好きな次男は思う存分スルメなどを買うて満足げだった。

何ヶ月か前にあった台風とかでアーケードが千切れてるような箇所もある。このままにしておくことも出来ないし、あと何年かすればこの屋根も取り壊されるんだろう。アーケードがどんどんなくなる時代を私たちは生きているのだ。

銭湯はまだやってる。天気は良かったが北風が吹いて冷たく、銭湯にちゃぽんと浸かって温まって、改めて湯冷めしたい気分。

祝日なので日の丸が掲げられていた。色のない寂れた商店街に日の丸がパタパタ揺れるのを見てるとじんわり涙が浮かんでくる。アメリカのゴーストタウンみたいなとこにも星条旗は揺れるんだろうか。それにしても風が冷たい。

四畳半劇場という会のタイトル通り、ちょっとしんみりした昭和の哀愁漂う音楽の会。何組くらい出たかわからないけど、昼の1時から6時まで25分刻みでどんどん出演者が出ていた。

お酒とかも安く売ってて、ガード下の屋台を模したホルモン屋は繁盛していた。最初に提灯を赤く塗った人って天才だな。

あ、アンドロイドや。やっぱり漫才の甲子園みたいなんで優勝したコンビらしい。地元の高校に通う現役の高校3年生で、片方の子は私が出た高校と同じでした。25分の持ち時間をアドリブでやり過ごし、最後の何分かはネタを披露していた。客席はおっさんおばはんばかりだったけど笑いもあって、顔も男前やし売れそうに思う。控え室で会った時に聞いた話だと、来年からNSCに特待生として通うとのこと。すでに芸能人みたいなオーラが出ていた、というか出していた。そんな高校3年生、がんばれ。

出演者のいちこうさん。私たちはこの日はライブで呼ばれたのだけど、殆どいちこうさんを観察しに行ったようなもんだった。いちこうさんは神戸の方なのでライブで一緒になったり、道端や映画館で会ったりするのだが、2年ぶりくらいで会ったいちこうさんはガリガリに痩せており、私が「いちこうさん、めっちゃ痩せましたね、カラダわるしはったんですか?」と聞くと「え、痩せてへんで、元気やで」とちょっとぼんやりした感じ。

 

私たちといちこうさんで商店街をブラブラし、総菜屋に入る。嫁さんと私は酒のあてにゴボウとチクワの天ぷらを買う。いちこうさんは刺身のコーナーからフグの刺身(850円)を手に取り、えらい高いもん喰うんやなと思ってると、「お金ないねん」と私にフグの刺身を手渡してくる。控え室に財布を置いてきて、一旦立て替えといて欲しいいう意味かなと思い、フグの刺身を私が買っていちこうさんに手渡す。いちこうさんはそれを両手で大事そうに持って、淡路人形みたいな歩き方で会場に戻る。会場に戻ると、スタッフや出演者のおっちゃんらがいちこうさんのフグの刺身を見て「いちこう、ええもん喰うんやな」とちょっとビビっていた。おっさんらのリアクションにいちこうさんはニコニコしていた。

 

しばらくして福山の竹内さんがこられ、みんなで廊下に立ってお酒を飲んでると、いちこうさんが通りかかり「このへんにコンビニある?」と聞くので、場所を教えるとまた「お金ないねん」というので、ああ、本当に手持ちがないというか、生活費に困ってる感じなんやなとフグの刺身の件も含めた全体が把握でき、「お釣りくださいね」と千円札を渡す。ほんで「一緒にいこや」といちこうさんが云うので、一緒にコンビニに行く。歩いて3分ほどのコンビニにつく手前に儲かってなさげな古い酒屋があり、その酒屋を横目で見たいちこうさんは「こういう店に貢献した方が良くない?」と云うので、そうしましょうと云う感じで酒屋に入る。店番のおじいさんに缶ビール二本頼み、いちこうさんが持ってる千円札(3分前に私が渡した)から支払いをしようと思い、私が千円札くださいの素振りをいちこうさんに示すと、いちこうさんはスッと千円札を持ってる手を引っ込め「これは、ちょっと」と云うので、ああ、そうだなと思い、自分の財布からビール代を支払い、缶ビール2本をいちこうさんに渡す。

 

いちこうさんはハーモニカの吹き語りの方で、この日もブルースっぽい曲を何曲か演奏していたが、一番最初にテネシーワルツを吹いたことを忘れて、また途中でテネシーワルツを吹き出し、客席から「それやったで」と言われて「うそ、やった?」と確認してたので、体は元気やけど脳の調子とかが本当に良くないのかもしれない。

滞りなく会は進行し、18時くらいに終了。撤収作業とか一応手伝う。

いちこうさんも手伝っていた。

いちこうさんのサイン。なかなかポップ。

商店街の薄い明かりがとてもいい。もうひと月ほどでお正月なのか。片付け終了後に打ち上げがあり、嫁さんと次男は途中で帰して私だけ参加するつもりでいた。

打ち上げ会場に向かう列について歩いていると、いちこうさんが来られ「打ち上げ行くん」と聞くので「はい行きますよ、いちこうさんも行きましょうよ」と答えると「お金ないからなぁ」と云う。一応出演者にはそれぞれ幾らかの出演料が出たので、そこから打ち上げの会費を払えばいいじゃんと思ったが、いちこうさんとしてはやっぱそのお金も温存しておきたい感じしたし、打ち上げに参加する人数も多かったので黙っとけば誤魔化せるんやないかなと思って「なんとかなるんじゃないですか」と返事する。

 

いちこうさんと同じテーブルについては危険だなと思って、いちこうさんが席に着いたのを確認してから一番離れた席を選んで座る。しかしいちこうさんは箸と茶碗を持って、私の席に移動してくる。完全にロックオンされている。ほんで打ち上げが始まりしばらくして「では会費を集めま〜す」と集金の人が回ってくる。いちこうさんどうするかな?と思って横目で見ると、財布を取り出すでもなくダンゴムシのように体を丸めた姿勢で集金が通り過ぎるのを待っていた。私は私の分の会費だけ払い、そのあと乾杯。ムシャムシャと鍋を喰うていると「いちこうさーん、会費くださいーい」と、さっきの集金係の人がやってくる。いちこうさんを見ると、いちこうさんは既に私の顔をじっと見ており、そうなるよなと諦め「会費出しときますから、面白い話聞かせてくださいよ」とお願いし、いちこうさんの分の会費を係の人に渡す。追加の缶ビールも私がその都度買っていちこうさん飲んでもらう。

会もだいぶ進んで、いちこうさんこの日4回目のテネシーワルツの演奏とかあり、そろそろと思って「なんか面白い話お願いします」と私が云うと、いちこうさんは自分が精神病院に入院した話や、母親の介護の話や、父親が鴨居に首吊って死んだ話などを聞かせてくれた。会費立て替えた甲斐あったなと私は満足し、嬉しくて笑ってるといちこうさんは「おまえ、恐いやっちゃな」と笑っていた。

ガリガリに痩せてるいちこうさんだが食欲は旺盛で、隣の席の余ってる鍋とかも積極的にどんどん食べて回っていた。

お酒もたらふく飲んだし、いちこうさんから面白い話も聞けたし、5000円くらいいちこうさんに巻き上げられたことも含めて満足。

帰りのタクシーを拾おうと思い、廃サンモールの中を通って山電高砂駅に向かう。この場所に作られた特設ステージにピンクレディーのミーちゃんが来た時はすごい盛り上がった。

駅の近くまで来て、そういえば先日飲酒運転で捕まってしまった元グレイトチキンパワアズの人がやってたバーが高砂駅の近くにあるらしいことを思い出し、スマホで調べる。

高砂駅の北側に回る。いつの間にかこんなにもデカいマンションが3つも建っている。

ナビに沿って歩くと、それらしき区画が見えてくる。これもまさしくこの世界の片隅に分類される風景である。

営業してたので一瞬入ってみようかと思ったが、「屠殺機」って刺繍された帽子を被った中年がベロベロに酔っ払ってニヤニヤしながら店に入ったら、時期も時期だけに絶対あかん方の客やと思われるのは確実なので辞めた。

調べるとグレイトチキンパワアズの人は私と同い年みたいで、去年少年団の役をしてた嫁さんの話では少年団の会長としても頑張ってはったらしい。どういう経緯で20年かけて日本の中心から、この世の果てみたいな場所に辿り着いたのかわからないけれど、元々はスタアであった自分が今ここにいるってことを受け止めながら生きるだけでも、まあまあしんどいことなんだろうなと思う。アンドロイドには頑張ってもらいたい。

タクシー代は1600円もかかった。まだ電車もあったから最寄りまで電車で行けば節約出来てたけど、酔うとそこまで考えられない。

 

今日はこのあと大阪行ってライブします。雨あんま降らんことを祈ります。あと今週の金曜日の20時半からモリタニ先生と大西さんとで呑む約束してます。どなたでもご参加ください。