コブログ206

 

新しいCDのアレコレと沖縄・関東遠征が済んでしもたら、あんまし遣ること無くなって、何だかもの足りない日々。忙しくしとかないと不安になる。また次のCDとかライブに向けて曲を作ろうと思うのだけれど、仕事とキクマサの無限サイクルで、閃きというかアイデアというかまるでなく、まず歌にするべきテーマっちゅうもんを捜さなければならず、ていうか新しいCDの注文あまり来ず、すごく腹が立っている。ブログのイイネとか要らんねん。マジでCD買えっちゅうねん、ほんましみったれてまんな、おたくら。

この2〜3ヶ月は家に居る間、飯喰うのと家事する以外はずっと内職部屋に篭ってヘッドホンしてたので、今週久々に晩飯のあとダラダラと居間でテレビを見たりした。ほんで普段居らへんおとんが居間に居るから、嫁さんと息子二人もなんとなく遣り辛いそうで、息子らが揉めたり煩く、白波が不味なるわ!思って内職部屋に逃げたり。こうやって息子から逃げてばかりいると、いざ息子と向かい合わなくちゃならない瞬間が訪れたとき、やり方が判らんくて困ったりしそうにも思う。先日、雌のカブトムシが死んだらしい。

関東に行った時に円盤で購入した「創作」と云う本が面白かった。円盤の田口さんがどこかの古物屋で見つけた作者不明の日記を本にしたやつで、以下は本に付いてる栞に書かれてた田口さんの文章をコピペ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 どこの誰が書いたのかわからない、この謎の日記。読み終えたとき、最初のヤバイものを見つけた、という興奮とはまったく違う文学作品を読み終えたときような、心に軽く残る痼りと爽快さを感じた。

 この本の「主人公」は、文学者を目指し、名作を読み耽り、その作品の素晴らしさに打ちのめされ、己が「凡人」であることを深く自覚していく。それでも覚悟へ向かって彼は自身を追いつめ、勤めを辞め、食い詰め、日雇い仕事に身を置き、ギャンブルに囚われ、借金を負い、何度も心を新たにし、ある日、行き先も決めぬ旅に出る。そして、旅を終えても何も変わらぬ「ただの自分」に諦観のようなものを覚えながら、精神世界を覗き始めるようなところでこの日記は終わる。

 昭和のひとりの若者のある日からある日までの無作為の日記にしては、その始まりも終わりもあまりにも文学的にすぎる。私が偶然古物として発見したこの日記は、もしかしたら、海に流した瓶詰めの手紙のように「いつか誰かがこれを読む」ことを細い細い時間の糸の先につないだ祈りのようなものなのではないかとさえ思った。

 私はこれを読んで「表現」とはなんなのか、そして凡人とそうでない人の差はなんなのかを考えさせられながらも、結局のところ、この「主人公」のあまりに真摯であまりに人間的な有様に惹かれていった。虚実の皮膜でゆらめく「人」に。

 

まずこの栞の文章で泣けた。円盤と云うお店は主に自主制作のCDとかレコードとかを扱うその分野では日本一のお店であり、店主の田口さんは云えば「自主制作の父」みたいな方だと私は思っている。例えば私の様に新譜CDをラジオや雑誌に送っても誰も相手にしてくれないようなミュージシャンでも、ちゃんとやる気があるなら頑張りなさいよ、そんな優しい言葉をかけてもらったことはないけど、お店の雰囲気や円盤の経営方針を遠目に見たりしてると、何となく自分が遣らなきゃいけないことって云うのが分ってくるし、一度お店でお話したときに「誰でも遣ってそうなことを遣ってては駄目だよ、面白いことをやらないと」みたいな、言い方はそんなんではなかったけれども、お店で売ってるパラパラ漫画を見せてくれながら、ご指導頂いたことがあり、やっぱちょっと頑張らなあかんねんな、と強く思った覚えがある。栞から話が逸れたけど、田口さんの「いつか小説書きたいけど書けない凡人」に対する優しさみたいなのが栞の文章から伝わってきて、あんま田口さんと喋ったことないけど「オレも頑張ります」みたいな気持になった。ほんでこの日記を本にするにあたって、まえがきやあとがきを誰かが添えるのもおかしいし、でも補足がなければ何が何か判らないから、最小限に抑える感じで栞に文章を載せてるのも愛くるしく思う。円盤の通販サイトで買えると思うので気になる方はぜひご購入ください。→円盤通販

読んでると色々気付かされることがあった。ちょっと感想文を書くと長くなりそうで、面白く説明出来ずマイナス効果になりそうなので控えますが、半世紀前にこの日記を書いてる小説書く志望の知らない誰かは20代の自分であり、職を転々とし、ギャンブルに負けては放心し、取り敢えず原稿用紙だけ買い、金もないのに腕時計の月賦を組み、親戚に小遣い渡し、小遣いが足りなくなれば両親に借り、またギャンブルし、そして負け、まともになろうと誓いを立て、ハードカバーの高価な書籍を買い、読んで眠たくなり、酒を辞めようと誓い、旅先でカメラをなくし、ゲッソリして旅から戻り、とりあえずまたギャンブルし、負けを繰り返し、傍目からは何にも変わらない日々をわりかし淡々と過ごしてそうに見えるかもだが、ゆるやかに逆回転し続けており、日記は途中で終わるがこの人が今何処でどうやって暮らしてるのか、そんなことを想像するのもまた楽しいかもです。

 

はなしかわりますが博多で性年表さしてもらうことなりました。九州の皆さんお世話になります。

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    キムラジュン (水曜日, 26 9月 2018 11:13)

    『創作』、面白そうですね。今度、高円寺に行って、買って来ようと思います。

  • #2

    カニコーセン (水曜日, 26 9月 2018 13:24)

    >キムラさん
    こないだはライブありがとうございました。書いてる人が誰か判らないと勝手に人となりを想像出来て、そんなんも読んでて面白いんかなと思いました。